株主優待のために保有している優待株がある人は、つなぎ売りを行うことで有利になる場合もあります。
現金や株式を担保として証券会社か借りたお金を使い、新しい株式の売買を行うことを信用取引と言います。
つなぎ売りは信用取引の一種なのですが、実践シュミュレーションの事例をあげて解説します。
例として松井証券を利用した場合の流れ、そしてコストを一緒に見てみましょう。
優待株の権利付最終日に、現物買い注文と無期限信用売り注文を行ったとします。
それらを100株ずつ購入し、寄付前に成り行きで発注したとします。現物買いと信用売りですが、どちらも1,000円で約定したと仮定します。
上記した条件で翌日の権利落ち日を迎え、現渡で決済を行いました。
その2ヶ月から3ヶ月が経ち、現物株の配当金の受取りと信用配当金の支払いがあります。
さらに2ヶ月から4ヶ月が経ち、株主優待として商品券や割引券などが届きます。
これはあくまでも事例の1つですが、だいたいはこのように流れるでしょう。
つなぎ売り後に株主優待が届くまでの期間は、内容によっては長くなるかもしれません。
季節性の高い食品などは、季節感に合わせて届けられる場合もあります。
上記の実践シミュレーションの場合のコストですが、まず売買手数料がかかります。
現物買い金額は1,000円と100株をかけて、100,000円となります。
新規売り金額も同様に計算して100,000円となり、合計すると200,000円です。
1日の約定代金の合計が100,000円から200,000までの場合、証券会社によりますが松井証券の場合は300円となっています。
またつなぎ売りを行うと、貸株料もかかります。
貸株料を計算するためには、まず新規売りの金額と年利と日数を掛け合わせます。
その結果を1年間の日数である365日で割れば良いです。
年利を2パーセントと仮定すると、4,000円となります。
4,000円を365日で割ると、11円となります。
手数料の計算ですが、つなぎ売りの前に自ら行うことをおすすめします。
オンライン上の便利なシミュレーションだけに任せるのではなく、自ら計算することでイメージしやすくなるためです。
取引の内容によってコストが安くなる場合もあります。
つなぎ売りは気分で行うものではなく、上記した内容をきちんと理解した上で適切に行いましょう。
内容をきちんと理解していれば失敗のリスクは限りなく少なくなります。